TRAVEL NOTES / NO. 020

2026年9月4日金曜日

旅の物語 · 3分で読める101

靴を脱いだ瞬間、違う時間に入る — チムジルバンで過ごした一夜

大浴場と共同寝室、シッケと焼き卵のあいだで、初めてのチムジルバンで外国人旅行者が出会う光景と流れをまとめた。

文 Find to Send編集部

靴を脱いだ瞬間、違う時間に入る — チムジルバンで過ごした一夜

夜11時、下駄箱の前で一本の鍵を渡される。フロントのスタッフは男湯と女湯を手ぶりで示し、それから階上のどこかを指さす。見慣れない色のユニフォーム、見知らぬ番号の鍵、初めて嗅ぐ硫黄の匂い。それが何を意味するのか分からなくても、まず靴を脱ぐべきだということだけははっきりしている。

下駄箱の鍵でロッカーを開け、ユニフォームに着替えて階段を上ると、広いホールが現れる。床は温かく、人々は寝そべってテレビを見ており、片隅にはシッケや卵を売る小さな売店がある。浴場はフロア全体が男女で分かれているが、寝室は男女共用の空間だ。初めて訪れる人はこの二つの空間の性質がまったく違うことに、なかなか気づけないまま歩き回ることになる。

問題は順番だ。今は体を洗う時なのか、ユニフォームを着て休む時なのか、それとも先に食堂へ行くべきか判断がつかない。案内表示はほとんど韓国語のみで、スタッフも英語が流暢とは限らない。うっかり靴のまま浴場エリアに入ってしまったり、タオルなしで寝室に横になろうとして視線を浴びることも珍しくない。

チムジルバンはもともと地域住民が毎日通う生活の場から始まった。だから案内の仕組みも観光客ではなく常連客を前提に作られている——説明がないのは不親切だからではなく、皆がすでに順番を知っているという前提があるからだ。浴場は裸で入る男女別の空間であり、寝室からその上階はユニフォームを着たまま男女が混じって休む共用空間であるという二重構造さえ理解すれば、あとは自然と分かってくる。

  1. フロントで下駄箱の鍵を受け取り、靴を脱いで入れる。
  2. 同じ鍵でロッカーを探し、服を脱いでユニフォームに着替える。
  3. 入浴したい場合はユニフォームを脱ぎ、浴場(男女別エリア)に入る。
  4. 入浴後は再びユニフォームを着て共用フロアへ上がり、寝室やチムジル室、売店を利用する。
  5. シッケと焼き卵は売店で買える代表的なメニューなので、気軽に試してみる。

鍵はロッカーや売店の支払いを兼ねることが多いので、なくさないようユニフォームのポケットに入れておく。

見知らぬ鍵一本から始まった夜は、靴を脱いだ瞬間すでに別の規則の中に足を踏み入れていたことを教えてくれる。