TRAVEL NOTES / NO. 052

2026年10月4日日曜日

旅の物語 · 3分で読める85

レストランなどないのに、どうやってチキンが届くのか

レジャーシートを広げれば、漢江公園のどの一角も配達アプリ上の立派な住所になる

文 Find to Send編集部

レストランなどないのに、どうやってチキンが届くのか

夕方七時、初めて漢江公園の芝生に腰を下ろした旅行者は、ある光景にふと足を止める。どこからかバイクが近づいてきて、配達員がビニール袋を片手にレジャーシートの間を歩きながら誰かの名前を呼んでいる。レストランなど一軒も見当たらないこの公園に、揚げたてのチキンがどうやって届いたのか。

漢江公園の夕方は、普段着姿の人々で埋め尽くされる。レジャーシートの上にはチキンの箱とビール缶が並び、携帯用テーブルにはポッサムやチョッパルが広げられ、川風と食べ物の匂いが入り混じる。初めて来た人は、どこに座ればいいのか、どう注文すればいいのかわからず、シートも敷かずにベンチの近くをうろうろしてしまう。

問題は単純だ。公園には番地も建物名もないのに、配達アプリは正確な住所を要求する。初めて訪れる人にとって、これはかなり心もとなく感じられる。地図を見ても、自分が立っている場所をどう入力すればいいのか見当がつかない。

実はこの問題は、公園の運営側と配達プラットフォームがずっと前に解決済みのものだ。漢江は汝矣島、盤浦、纛島、望遠など複数の地区に分かれており、各地区はさらに細かい区域に分かれている。配達アプリにはこの区域があらかじめ住所として登録されているため、公園名と区域番号を入力するだけで正確な配達地点として認識される。配達員はその区域内で、電話やメッセージで正確な場所を改めて確認しながら最後の距離を詰める。

やるべきことは単純だ。

  1. コンビニや公園の売店で、まずレジャーシートか携帯用テーブルを手に入れる。
  2. 座りたい場所に落ち着いたら、配達アプリの住所検索欄に公園名と近くの区域表示を入力する。
  3. 位置があいまいな場合は、近くの目立つオブジェや売店、トイレなどの目印を注文メモに書き添える。
  4. 配達員から連絡が来たら電話に出て、場所を案内する。

食べ終わったあとゴミをそのまま置いていかないことが、この場所の不文律だ。公園のあちこちにある分別ゴミ箱に自分で片づけてから立ち去ることが、次の人にレジャーシート一枚分の場所を残す方法になる。

その夜、見慣れぬ旅行者も結局レジャーシートを広げて座り、配達員の電話を受ける。住所のない公園で食事を受け取ることは、思っていたほど複雑ではなかった。