TRAVEL NOTES / NO. 055
2026年10月7日水曜日
旅の物語 · 3分で読める83
まずスープはただである——ソウルの屋台で学ぶ小さな勘定
串数本とスープ一杯で足りる夜。最近はカードが使える屋台も多いが、念のため少額の現金を持っておくと安心だ
文 Find to Send編集部

夜十一時、鍾路の裏路地。ビニールテントの中に湯気が立ち、誰かが簡易椅子に腰かけて、紙コップにスープを注いでいる。お金も払っていないのに、ごく自然に。初めて見る人は一瞬戸惑う——これ、勝手に飲んでいいものなのか。
狭いテントの中では、立って食べる人と簡易椅子に座る人が入り混じっている。大きなアルミ鍋には串に刺さったおでんが並び、隣の鉄板ではトッポッキが赤く煮立っている。店主は客が食べた串の本数を目で数える。メニュー表もレジもない。すべてが口頭と目分量で回っている。
旅行者が戸惑うポイントは二つある。一つは「このスープ、タダなのかどうか」確信が持てないこと。もう一つは支払い方法だ。最近はカードが使える屋台も多いが、小さなテントでは端末がない場合もあり、食べ終えてから困らないよう備えておくのが無難だ。
ポジャンマチャはもともと大きな店ではなく、リヤカーやテント一張りから始まった生計の屋台だ。カード端末の手数料や電気設備、精算システムを整えるより、その日のうちに現金で済ませる方が長らく自然だった。今ではカードが使える店も増えたが、その名残がある店もある。おでんのスープを別料金にしないのも同じ理由からだ——スープは商品ではなく、串を煮た副産物であり、客を引き止める小さなもてなしに近い。
だから屋台に入るときは、こう動けばいい。
- 最近はカードが使える屋台も多いが、念のため千ウォン札や五千ウォン札を中心に小額の現金を用意する。小さな屋台ほどカード端末がない可能性がある。
- おでんは一本ずつ食べ、食べ終わった串は立てて見せるか、店主が数えるまでそのままにしておく。
- スープは自分で注いで飲んでよい。ただし初めてなら、周りの人のやり方を少し見てから真似する方が自然だ。
- トッポッキなどの料理は通常一人前単位で値段が決まっているので、注文前に手振りで聞いてもよい。
- 会計は最後にまとめて行う。カードが使えるか先に聞き、使えなければ用意した現金で払う。
その夜、紙コップのスープを一口飲んでようやくわかった——ここでのもてなしとは大げさなサービスではなく、黙って差し出される一杯のスープだったのだ。