TRAVEL NOTES / NO. 033
2026年9月18日金曜日
手荷物 · 3分で読める101
「23キロ」という数字を信じすぎない
預け荷物の重量制限は航空会社によって異なる。予約前に確認しないと、空港で予想外の追加料金を払うことになる。
文 Find to Send編集部

チェックインカウンターの秤の上で、スーツケースが24.3キロを示す。旅行者の表情がこわばる。「23キロまでじゃなかったんですか」という問いに、係員は淡々と答える。「弊社は20キロが基準です」。荷物を詰め直すか、超過料金を払うか、どちらかを選ばなければならない瞬間だ。
仁川空港や金浦空港の国際線チェックインカウンターでは、一日に何度もこうした光景が繰り返される。スーツケースを開けて服やお土産を手荷物や同行者の鞄に移す旅行者、超過料金の請求書を手に電卓を叩く人。荷物の入れ替えでカウンター前が一時的に慌ただしくなることもある。
問題は、多くの旅行者が「預け荷物は23キロまで」という数字を当然のことと思い込んでいる点にある。国際線エコノミークラスの基準として23キロ前後がよく使われているのは事実だが、これは絶対的な規定ではなく、航空会社ごとに独自に定めている基準に過ぎない。特にLCC(格安航空会社)はより低い重量で規定を設定していることが多く、超過分には別途料金がかかる仕組みで運営されている。
こうした違いが生まれるのは、航空会社の運賃構造そのものが異なるためだ。フルサービスキャリアは航空券の価格に一定水準の手荷物サービスを含めることが多い一方、LCCは座席運賃を抑える代わりに、手荷物、座席指定、機内食といった付帯サービスを別料金で販売する方式を取る。そのため同じ路線であっても、航空会社によって預け荷物の許容重量や超過料金の基準が大きく異なることがある。
航空券を予約する瞬間こそが、荷物の重量を確認すべき本当のタイミングだ。
この問題を避ける方法は難しくない。航空券を予約する際に、運賃規定や手荷物案内の項目も一緒に確認する習慣をつけることだ。
- 予約段階で、利用する航空会社の預け荷物の重量制限を直接確認する。国際線だからといって23キロを前提にしない。
- LCCを利用する場合は、基本運賃に手荷物が含まれているか、別途購入が必要かを確認する。
- 荷物を詰める前に、自宅であらかじめ秤で重さを量る。空港で詰め直すより、自宅で調整するほうがはるかに楽だ。
- 超過が予想される場合は、事前にオンラインで追加手荷物を購入するほうが、空港での現地料金より安いことが多い。
航空会社ホームページの手荷物規定ページは、予約確認画面とは別に存在することが多い。予約完了メールに記載されたリンクを別途開いて確認するのが確実だ。
再びチェックインカウンターに目を向けてみる。秤の上の数字は旅行者を試しているわけではない。ただ、その数字が何を基準にしているのかを事前に尋ねていなかっただけだ。荷物を詰める前に投げかけるべき問いは「何キロまで詰めるか」ではなく、「この航空会社の基準は何キロか」である。