TRAVEL NOTES / NO. 035

2026年9月20日日曜日

韓国旅行 · 4分で読める104

手を挙げるかアプリを押すか、ソウルのタクシーには二つの値段がある

同じ距離、同じ車なのに料金が違って感じる理由は呼出料だけではない、待ち時間の価値を誰が決めるかの問題だ

文 Find to Send編集部

手を挙げるかアプリを押すか、ソウルのタクシーには二つの値段がある

夜11時、弘大の路地の入り口。バーから出てきた旅行者が手を挙げる。タクシーが一台、また一台と通り過ぎる。中に客が乗っているものもあれば、空車なのに止まらないものもある。5分、10分と過ぎるうちに、じわじわと不安が募る。この街でタクシーを拾うのはそもそも難しいことなのか、それとも今この瞬間、この場所が悪いだけなのか。

同じ時刻、数メートル離れた場所では別の旅行者がスマートフォンの画面を見つめている。アプリを開き、出発地と目的地を入力し、配車ボタンを押す。画面には割り当てられた車が数分後に到着するという通知が表示される。待つ時間は同じように流れているが、こちらは不安ではない。車が向かっていることを目で確認できるからだ。

タクシー乗り場の前で人々が列を作る光景も珍しくない。誰かは手を挙げてみて諦め、列の後ろに並び、誰かは列に並びながらアプリを開く。道路の上を空車の表示灯が点滅しながら通り過ぎるが、実際に止まる車はごくわずかだ。運転手の視線はすでに次の路地、次の客に向いているように見える。

旅行者にとってこの状況が特に息苦しいのは、どちらの方法が有利かをその瞬間に判断するのが難しいからだ。アプリで呼ぶと追加料金がかかると聞いたことはあるが、正確にいくらなのか、今この時間帯にその金額を払う価値があるのかがわからない。逆に路上で拾えばお金は節約できるが、いつ拾えるかの見通しが立たない。荷物を持って立ったまま、あるいは次の予定に遅れそうになりながらこの計算をしなければならないこと自体がストレスになる。

しかもこの判断は都市ごとに、時間帯ごとに、さらには同じ通りの中でも変わってくる。江南駅前と住宅街の路地では事情が違い、平日の昼と週末の夜もまた違う。旅行者にはこの地域性と時間性を体で覚える時間がない。だから毎回新たに判断せねばならず、毎回少しずつ不安がつきまとう。

この違いは単なる料金表の問題ではなく、料金が作られる仕組みそのものが異なるために生じる。路上で拾うタクシーはメーターに表示される基本料金と距離・時間料金、そして深夜割増程度で構成された伝統的な方式だ。運転手からすれば通りすがりの客を乗せるだけなので、別途の仲介コストはかからない。

一方、アプリ配車はその間にディスパッチシステムという段階がもう一つ入る。アプリは乗客の位置と複数の運転手の位置をリアルタイムで照合し、その瞬間周辺にいる運転手の中から誰が向かうかをアルゴリズムで決める。このマッチング作業、そして乗客が待たずに望む時間に車を確保できる利便性そのものに値段がつく。だから呼出料あるいは予約料という名目の追加費用が発生するのだ。特に深夜や需要が集中する時間帯はこの配車の難しさが増すため、アプリによっては料金がより流動的に動くこともある。

路上でタクシーが拾いにくい現象も同じ論理の裏側にある。運転手からすれば、アプリ経由の配車はすでに目的地と予想料金が確定した安全な選択であることが多い。一方、路上で手を挙げる乗客はどこへ行くのか、その方向が自分に有利かわからない状態で乗せねばならない。だから人通りが多く短距離客が集中する繁華街、あるいは交代時間の直前には、空車であっても止まらないことがよく起こる。

それゆえ旅行者が取りうる最も実践的な選択は、状況に応じて二つの方式を使い分けることだ。

  1. 移動時間が決まっている、あるいは荷物が多い場合はアプリ配車を優先する。空港への移動、早朝のチェックアウト、重要な約束の前など遅延が困る状況では、呼出料を払ってでも到着時刻が確定していることの価値の方が大きい。
  2. 繁華街や大通り沿い、人の往来が多い場所で短距離を移動する際は、まず路上での乗車を試す価値がある。こうした場所は空車の絶対数が多く、手を挙げたときに拾える確率も相対的に高い。
  3. 深夜、特に日付が変わる前後や交通が集中する金曜の夜は、どちらの方法も難しくなりうると事前に見込んでおく。この時間帯はアプリを事前に起動して待機リストに名前を載せつつ、同時に大通りに出て手を挙げてみる二重戦略が現実的だ。
  4. アプリで呼んだのに配車が延々と遅れる、あるいはキャンセルされる場合は、ただ待つよりも大通りやタクシーが停まりやすい場所に移動して再度呼び出す方が効率的だ。路地の奥、駐停車禁止区域、工事中の道路脇では運転手が停車自体を嫌がることが多い。
  5. 目的地を正確に把握していない、あるいは発音が難しい地名の場合は、出発前に目的地名と住所を現地語でスクリーンショットしておくか、地図アプリの共有機能を用意しておくと、どちらの方式を選んでも誤解を減らせる。

結局、弘大の路地の入り口で手を挙げていた旅行者と、画面をのぞき込んでいた旅行者は、同じ問題を違う方法で解いていただけだ。どちらが正しいという方法はない。ただ、あの夜、あの場所で何がより急を要していたか、そしてその急ぎに対していくらの値をつける準備ができていたかが、二人の選択を分けただけだ。

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